【コラム】在宅ワーク詐欺 2ページ目

●詐欺なのはどんな場合か?

この記事では、在宅ワークにちなんだ詐欺行為の手口を解説したいと思います。

在宅ワーク詐欺の典型的なパターンとして、次のような例を紹介します。


「ある日、主婦のAさんのもとへ、一本の電話が掛かってきました。その電話の内容は、『現在、当社ではパソコン入力の仕事を在宅で引き受けてくれる人を募集している。そこで、Aさんは信頼できる方だと信じて勧誘の電話をさせていただいた』との事でした。

そして以下のような説明を受けました

初心者でも簡単に出来る仕事で、時給に換算して1000円以上の収入がある

仕事は、多くの企業から発注があり、仕事が途絶える事は無い

仕事を斡旋する条件として、自社の試験に合格してもらう必要があるが、簡単に合格できる

試験合格のための教材と、実務のためのPC付属部品と、CD-ROM、合わせて50万程掛かるが、すぐに元は取れる

当社のスタッフがいつでもサポートするので不安は無い

Aさんは、50万の初期費用は高額のため、ためらいましたが、ローン返済にすれば収入のほうが大きいから毎月の家計への負担は無い、と説得され、Aさんは最近、家の経済状況が苦しく、結構暇な時間を持て余していたこともあり、契約することにしました。

そして、Aさんは試験合格のために勉強しましたが、その試験はあまりにも難易度が高く、何度チャレンジしても合格できず(業者の用意した教材の勉強だけではとても合格できるものではない)、スタッフに、最初の簡単に合格できるという説明と話が違う、と訴えても、努力が足りない、といようなことしか言わず、しまいにはこれは合格させないための試験なのではないか、という気すらしてきて、結局諦めてしまいました。

そして、残ったのは毎月のローンの返済のみという結果に終わってしまいました。」


こんなような事例が、世間では「内職商法」などと呼ばれる、詐欺手口の典型的な例です。お金を稼ぐのに、まずお金を払わなければならない、というのがすでに不自然な事なのです。


●資格を取って欲しいと言ってきたら

在宅ワーク斡旋業者が、資格を取得しないと仕事は与えられない、資格を取得すれば多くの仕事を提供する、との条件を提示してきたら、慎重に考えてください。在宅ワークには、資格は必ずしも無ければならない訳ではない、というのは前にも述べた通りです。

結局の所は、詐欺業者は、仕事の為に資格の取得を勧めているような事を言いながら、実際には仕事を斡旋する気ははじめから無く、資格取得の為に必要だと説明して、高額の教材や講座を購入させるのが目的なのです。

業者側が取得を勧める資格には、公的資格と、業者独自の民間資格(試験)があります。

公的資格で、業者が取得するよう薦めるものとして多いのが、行政書士、旅行業務取扱主任者、簿記、パソコン検定、システムアドミニストレーター、CAD、医療事務などですが、そもそもこうした資格が無いと、仕事が出来ない場合というのは少なく、また、業者側が勧誘する段階では、業者の用意する教材を購入したり、講座を受講したりすれば簡単に資格試験に合格できるような説明をしたのにもかかわらず、実際には難易度の高い資格でなかなか合格できない、というパターンが多いです。業者の用意した教材も、高額な割には、内容は薄っぺらなものがほとんどです。

業者が独自に設立した資格(試験)も、合格点があまりにも高かったり、合格基準があいまいだったり、明らかに教材に載ってなかったような問題が出題されていたりして、いつまでも合格できず、勧誘の時にはあくまで「簡単な試験」と説明したはずなのに、「合格するために更に教材を買って勉強してください」などと要求してきたりして、結局試験に合格することが出来ずに諦めてしまう例が多いです。

つまりは、この種の試験は、初めから合格させるつもりが無く、教材を買わせる為の名目に過ぎないのです。


●非常に高額な教材の購入・登録料を要求してきたら

前項でも触れましたが、資格取得、試験合格、あるいは在宅ワークの実務に必要なスキルの習得のためと説明して、非常に高額な教材の購入を要求してきたら、安易に信用しないでください。

悪徳業者の用意する教材でよく見られるのは、パソコンソフトのCD-ROM、資格・検定用の書籍、PC・PC付属機器などですが、30~60万くらいの額が多いようです。しかし、その教材は、その金額に見合っただけの価値のあるものとは、とうてい思えないものがほとんどです。

業者は、それらの購入費用を、その物品のみの費用とは説明せず、後の仕事の斡旋料、就業サポートの費用も含まれている、と説明する場合が多いです。しかし、契約書には教材販売の契約に関することのみ書かれていて、業務委託契約の事は書かれていない場合があります。

在宅ワーク斡旋業者への在宅ワーカーとしての登録料も、数十万以上の金額を要求してきたならば、その会社がどんな会社なのか(規模、経営状態など)よく調べてから登録を検討してください。

業者側は、ローン返済にすれば、毎月の在宅ワークの収入のほうがローンの返済額より上回るから負担は無い、などと勧誘し、業者の紹介するクレジット会社と契約させ、悪質なところだとサラ金から資金を調達させるところもあります。しかし、その後の収入はローン・サラ金への支払額に到底及ばず、結局仕事は諦めて、毎月の支払いだけが残ってしまった、なんてことになってしまうのです。


●仕事・収入がほとんど無い場合

在宅ワーク斡旋業者に、教材を購入したり、登録料を払って会社に登録したり、通信講座を受講する等の行為をすれば、高収入の在宅ワークをたくさん紹介すると説明され、その条件を満たしたというのに、後に来る仕事は毎月のローンの返済額にも及ばない低収入だった、あるいは仕事を始める事すら出来ない、という詐欺は数多く存在します。

その内容としては、収入単価が安く、時給に換算しても普通のアルバイトにとうてい及ばない。初心者でも簡単に出来る仕事だと説明したにもかかわらず、仕事内容が極めて難しく、業者の用意した教材や通信講座の勉強だけではとうていこなせる仕事ではない。また、収入単価を上げるには技術を上げる必要があると言ってきたり、ミスが多いからと言って、報酬を引かれる例もあります。

また、契約の段階では、仕事が多くて人手不足で、在宅ワーカーを募集している、などと説明していたのに、実際には全然仕事が回ってこず、業者に苦情を言っても、顧客が少なくなってしまって仕方が無い、などと説明し、中には、契約は教材・通信講座の販売の契約であり、仕事斡旋の契約は交わしていない、と主張してくる業者もあります。

そのほかにも、会社の経営状態が悪いと言って、報酬の減額を要求してきたり、支払いを延期してきたり、会社自体が倒産してしまう、という事例もあります。


●電話での勧誘は注意

在宅ワーク斡旋業者が、あなたの家に電話を掛けてきて、積極的に勧誘してきたならば、これはほとんど詐欺だと思ってください。

「現在、この在宅ワークを行ってくれている人を多数募集している企業があり、ぜひあなたに在宅ワーカーとして活躍していただきたい」

こんな文句には要注意です。

ある業務を、在宅で引き受けてくれる人を募集している企業があったとして、それを未経験の人を一から教育して業務をこなせるスキルを身に付けてもらって仕事を任せる、そんな悠長な事をする企業があるでしょうか?すぐにでも仕事が出来る人を探しているならば、そういうスキルをすでに持っている人が在籍している登録会社から人を探すでしょう。それに、人を募集するならば、面接をしたり、履歴書、職務経歴書を提出してもらうなどの選考を経て、仕事を任せられる人物かどうかを判断するでしょう。通信教育を終えただけの人を即戦力として採用することは考え難いです。

そのほか、「あなただけに特別提供する情報です」「定員が埋まり次第締め切りますので結論は早く」「誰にでもできます」「当社のサポート体制は万全です」こんなセールストークにはご注意ください。

基本的に、楽して普通のアルバイトより稼げる仕事に就ける事などあるわけが無く、そんなオイシイ話が本当にあるならば、電話で勧誘するより前に、とっくに人が集まっているでしょう。

話を聞いて、教材を買ってほしい、通信講座を受講してほしい(その金額は数十万)と言って来たら(初めはこの話をせず、興味を持ち出した頃に話を切り出す場合が多いです)、さっさと断ってしまいましょう。つい、軽はずみに「やります」などと言ってしまうと、口約束でも契約が成立してしまう事もあるので注意してください。


●クーリングオフ制度について

皆さんは、クーリングオフという制度をご存知でしょうか?この制度は、悪質な業者から消費者を守るために制定された制度で、業者との契約を一方的に無効にできる制度です。

在宅ワーク斡旋業者を騙った詐欺業者に、高額のお金をすでに払ってしまったり、ローンを組んでしまったりしたとしても、泣き寝入りするのはまだ早いかも知れません。契約の条件、依頼した行政書士さんの力量にもよるのでしょうが、支払ってしまったお金の全額とまではいかなくても、何割かは戻ってくるかも知れません。

クーリングオフは、ある特定の商品、サービスの契約を、定められた期間内ならば、業者の都合に関係なく、一方的に契約を無効にできるものですが、在宅ワーク斡旋の契約は、法律上は業務提供誘引販売取引と呼ばれ、クーリングオフ可能な契約に指定されています。

クーリングオフの有効期間は、契約内容によって異なり、8日間、14日間、20日間、と定められていますが、在宅ワーク斡旋の契約は20日間です。もし、契約書にクーリングオフの期限が8日間と書かれていたならば、その業者は詐欺の可能性が高いです。勘違いしやすいのが、クーリングオフの期間は、「クーリングオフ可能です」と明記された書面をもらってから20日以内であって、契約した日から20日間では無いということです。よって、正しい書面をもらってないならば、いつでもクーリングオフできるというわけです。特に、在宅ワークの詐欺は、このクーリングオフ記載に関しての書面の不備が目立つらしいです。

よって、契約をクーリングオフにて無効にしたいと考えるとき、「クーリングオフの法定書面をもらっているか」「クーリングオフの期間内か」の点に着目してください。

クーリングオフは原則的に電話ではできません。書面にて「クーリングオフする」との旨を業者に通知しなければなりません。自分で調べて書面をつくるのは、悪質な業者にうまく騙されてしまうかもしれないので、専門の行政書士に相談に行くべきでしょう。

詐欺業者は、とにかくクーリングオフさせないように、いろいろなごまかしや罠を仕掛けてくるものです。商取引に関する法律違反で摘発を受ける業者も出ています。「クーリングオフはできません」と言われても、騙されずに、専門の行政書士に相談に行ってください。


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